槍穂パノラマスキー

メンバー:
高尾文雄、山田和人、中山茂樹、木村哲郎(以上笹ヶ峰会)、
佐藤文昭、田中博之(以上JAC)、
芝田誠通(高尾友人)

4月29日(祝) 晴れ時々曇りのち雨&暴風
上高地(6:30)⇒横尾(9:20)⇒槍沢ロッジ(11:40)⇒殺生小屋横(16:20)⇒槍沢標高2900m(16:50)⇒遭難者発見(17:00)⇒槍沢ロッヂ(17:45)

横尾までは運動靴で歩く。槍沢ロッジ付近で雨となり、降ったり止んだりが続く。槍沢をシールで順調に登るも2348m付近(夏道天狗原への分岐)辺りから風が強くなる。登るにつれ、暴風になり氷のシャワー及び横殴りの氷粒攻撃を受ける。耐風姿勢でもなぎ倒される程度にまで風が強まり、進行時間と停止時間が1:4程度にまで低下。視界悪く20〜50m程度。殺生小屋付近で7人パーティーは先行2人と5人に分かれ連絡つかなくなった。先行2人(高尾、山田)は2900m付近にて断念し、風に流されながらも赤旗をスラロームしながら慎重に下る。殺生小屋の100m程下で疲労のため動けなくなっている人を発見するも意識が濁り受応えができない状態のため、ツエルトに収容、山田のピッケルで固定し、小屋で救援を依頼することにして滑降を続けた。ババ平付近で強風は収まる。槍沢ロッジにて救援を依頼。

4月30日(土) 快晴→晴れ
槍沢ロッヂ(7:00)⇒槍沢⇒天狗原(9:40)⇒横尾尾根コル(10:30)⇒横尾谷右俣滑降⇒本谷橋(11:30)⇒涸沢小屋(13:30)

朝から好天に恵まれ、槍沢は登山者が繋がっている。2400m辺りから上部は風が時折強く吹くがそれも次第に収まった。天狗原〜横尾尾根の乗越からは、槍ヶ岳が美しく、穂高連峰にかけてのパノラマが素晴らしい。横尾谷右俣は全く踏まれていない斜面で北穂を横目に見ながら滑りを満喫。横尾本谷も大きなデブリなく順調に滑走。涸沢の登りは、夏山と変わらぬ登山者の数珠繋ぎ状態であった。涸沢の県警詰所にて昨日の遭難者が朝、県警ヘリにより遺体で発見されたことを知る。涸沢小屋に投宿し、テラスで前穂北尾根を見ながら生ビールで献杯。

5月1日(日) 晴れのち曇り
涸沢小屋(6:10)⇒白出のコル(8:00)⇒奥穂高岳(9:30)⇒白出のコル(10:10)⇒白出沢滑降開始(10:45)⇒白出大滝高捲き(11:00)⇒天狗沢出合(11:30)⇒蒲田川林道(12:30)⇒新穂高温泉(14:10)

ザイテングラードの登りはアイゼンを着け、踏み固められたステップを登る。白出のコル(奥穂高山荘)にスキーをデポし、奥穂高岳をアタック。ジャンダルムが雄姿で迎えてくれる。登路、雪は殆どついておらず夏道同様に梯子・鎖を使った。白出のコル直下は雪がついていないため100m程下った地点から滑降開始。谷はあまり広くないが、上部はデブリ少なく、快適に飛ばせる。大滝は、夏道を使い30分程の高捲き。天狗沢出合からその下のゴルジュ地帯はデブリに阻まれ滑り難い。下部は河原状になり、難なく蒲田川林道へ。蒲田川林道もしばらくはスキーで下れた。蒲田川は春の芽吹きが始まったばかりの様子であった。

山田和人

槍沢
天狗原へ
天狗原
天狗原から槍
横尾尾根(芝田)
横尾右俣上部
横尾右俣中部
涸沢小屋
涸沢テント村

ザイテングラード
奥穂からジャン
白出沢滑り出し
白出沢上部(Mc)
白出沢上部
白出沢中部
白出沢ゴルジュ
白出沢下部デブリ
蒲田川林道キブシ